孤高の花 2017
あらすじ
時代背景
「孤高の花」の舞台となるのは、燕、晋、涼、白蘭などの国が入り乱れる五胡十六国時代(西暦304年から439年)、三国時代と南北朝の間の時代である。
三国志でおなじみの魏・呉・蜀が争った三国時代が終わり、司馬氏の晋が統一。その後、晋が分裂して混乱の世の中になる。北魏が北部を統一。宋が南部を統一して南北朝の時代になる。ドラマ「王女未央」は五胡十六国末期から南北朝の時代を舞台にしている。
晋(しん)
楚北捷(そほくしょう)の国は晋。三国時代、曹操(そう そう)の軍師として活躍した司馬懿(しば い)が曹操の死後、三国を統一して作ったのが「晋」という国。晋の架空の皇帝が 司馬弘(しば こう)。
五胡十六国時代になると晋は中国大陸の南の一部を支配する国になりました。東晋と呼んで他の時代にあった晋と区別される。
燕(えん)
白娉婷(はくへいてい)の国は燕。燕の皇帝は 慕容粛(ぼよう しゅく)。慕容氏は鮮卑族(せんびぞく)という、遊牧騎馬民族。「王女未央」に登場する「魏(北魏)」も鮮卑族の国。
晋や涼と同時に存在したのは、燕と呼ばれる国の中でも一番署最初にできた「前燕」。その後、西燕と後燕に分裂する。国の名前としては「燕」と名のってました。現代人が区別するために前とか西とかを付けている。
後燕の将軍・馮跋(ふう ばつ)が後燕の皇帝を殺して北燕を作った。北燕は北魏に滅ぼされる。「王女未央」のオープニングの時代になる。王女未央のヒロイン・馮心児(李未央)のモデルになった文明皇后(馮太后)は馮跋の子孫である。
涼(りょう)
五胡十六国時代に中国大陸の北部にあった国。前涼(張氏)、後涼(呂氏)、南涼(禿髪氏)、北涼(沮渠氏)と涼と名のっていても王族のつながりはない。
最後まで生き残ったのは北涼だったが、北魏に滅ぼされる。「王女未央」のヒロイン・馮心児は涼(北涼)の出身という設定。
白蘭
白蘭という国は存在しない。漢民族の国で漢字二文字の国は存在しない(前・後・北・南とか、同じ名前の国を区別するために付けてる漢字は別)。遊牧民や他の民族の国なら漢字二文字の国はあったが、それらの中にも白蘭という国はない。
孤高の花は架空の話
晋の将軍・楚北捷は武神とよばれるほどの勇猛な武将で、皇帝・司馬弘の異母兄弟という設定だが、歴史上司馬弘も楚北捷も存在しない。完全な架空の存在である。
ヒロインの白娉婷は、燕の軍師。女諸葛と呼ばれるほど優れた女性です。白娉婷という人物も存在しない。古代中国には女軍師はいなかった。
宮廷ドラマ以外で女性を主人公にしようとすると、どうしても架空の設定になってしまう。